11月11日から13日の3日間、「アジアからのワンヘルスアプローチ」をテーマとして、国内外の獣医師らが参加する国際会議「第21回アジア獣医師会連合(FAVA)大会」が福岡市で開催されました。日本での開催は27年ぶりとなります。

 大会では、ワンヘルスに関連するシンポジウムや獣医学に関する講演などが行われました。

 11日の開会式でFAVA会長の藏内勇夫日本獣医師会長は、「ワンヘルスの概念が一層求められる中で福岡からアジアに、そして世界に発信してまいります」とあいさつされました。
 来賓で出席した知事は、「11月9日、アクロス福岡に開設することが決定した『FAVAワンヘルス福岡オフィス』と連携し、さらにワンヘルスの取り組みを進めてまいりたい」とあいさつしました。

 また、13日には、FAVA加盟獣医師会および所属する獣医師による、ワンヘルスの実践活動をアジア・オセアニア地域から世界に向けて発信するための方針を表明した「アジアワンヘルス福岡宣言2022」が採択されました。

【宣言内容】

  1. 新興・再興感染症を含む人と動物の共通感染症の予防及びまん延防止に万全を期すため、感染源、感染経路及び宿主対策についての調査・研究体制を整備するとともに、情報の共有に努める。
  2. 薬剤耐性菌が医療と獣医療において重大な脅威となっていることから、抗菌剤の慎重かつ適正な使用を徹底し、薬剤耐性(AMR)対策を推進する。
  3. 動物と人が共生する社会を構築するため、生物多様性の維持や地球環境の保全を積極的に推進する。
  4. 獣医学教育の更なる整備及びワンヘルスアプローチによる国際連携により、WOAH(OIE)Day One Competencies(獣医師が具備すべき知識・技能・態度)を有する獣医師の育成に取り組む。
  5. 医療関係団体、行政機関、市民団体及び大学、WVA、WOAH(OIE)、WHO、FAO、UNEPなどの国際機関と協力し、ワンヘルスの課題解決と推進に取り組む。
  6. アジアにおけるワンヘルスの課題への研究と児童、生徒及び市民に対するワンヘルス教育の普及のために、FAVA活動の拠点を整備・強化する。